夏休み特別講義
「さかなクンと養老先生と発見! 能登の自然の秘密」

今回は夏休み特別講義ということで国連大学のご協力のもと、東京都渋谷区青山にある国連大学ウ・タント国際会議場で行われました。ゲストにはなんと解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司先生をお招きし、さかなクンとのスペシャル対談が実現。養老先生は大の昆虫好きとしても知られており、採集した昆虫の標本の数は10万点以上になるそうです。特にゾウムシがお気に入りで甲虫類の中で最も種類が多く、養老先生が採集したゾウムシには何百という新種が含まれているのだとか。そんな虫を愛する養老先生とお魚を愛するさかなクンが能登の自然をテーマにトークセッションが行われました。

養老先生が印象に残っている能登の昆虫は砂浜に暮らすハンミョウだそうです。本来昆虫は塩分を嫌うので砂浜を棲み家とするハンミョウは大変珍しいと言えます。しかし近年砂浜が減少しているため生息数が減ってきているのだそうです。
能登にいるおいしいお魚の中でも一番好きなのがタラだと言うさかなクン。タラチリのお鍋をみんなで囲み、みんなで鱈腹(タラフク)食べて幸せになれる。タラは本当にありがたいお魚なのだというさかなクン。
能登地震で被災された地域に足を運んだことがあるさかなクンは、写真スライドとともに現地の様子や子供たちとお魚の絵を描く様子を紹介しました。さかなクンは「能登の方々は連絡をくれたり足を運んでくださることが励みになる、とおっしゃっていました。」と被災された能登に関心を持つことの大切さを語りました。
話が能登の生き物の多様性に及んだところ、養老先生は「多様性と言うだけでは全く多様ではないのです。自分で触って採って初めて多様性という言葉がわかる。」と自然に触れることの大切さを述べました。自分がカラダを動かして触れた虫や採った虫は図鑑で見ただけでは得られない体験をくれて、そして記憶にもずっと残る、ということです。
能登のお魚の話がフグに及んだ時のこと、養老先生が「なぜフグは膨らむのか不思議なんですけどなぜですか?」とさかなクンに問いかけました。「それは外敵に食べられないようにカラダを大きく見せるためだと考えられています。」と答えるさかなクン。それに対して養老先生は「僕はね、自分には毒があるから危険だ、食べちゃダメだ、ということをフグがみんなに教えてあげていると思うんだよ。世のため人のためにね。」と温かくユーモアのある見解を述べました。これにはさかなクンも「さすが養老先生!ありがとうギョざいます!」と大喜び。


会場の小学生から「どうすれば山や海を守ることができますか?」と言う質問が出ました。それに対して養老先生は「よくわからないんだけど。」と前置きした上で「まず体力が要りますね。カラダを丈夫にしておかないと何があるかわからない自然環境に対応できない。周囲をよく見て注意して準備しておく事が大事です。」とあくまでも自然と向き合う姿勢を大切にするご意見を述べる養老先生。それを受けてさかなクンは「この山や海にはどんな大切なものがあるのかなぁ、と漁師さんに聞いたり調べたりしてできることを考えるのがいいと思います。」さらに「これ以上自然を壊しさない汚さないと言う気持ちを持って行動したりビーチクリーン活動に参加するのもいいと思います。」と普段自分が実践している活動を紹介しました。

さかなクンは常に子供たちに「自分の目で見て、触れて、聞いて、嗅いで、味わって」というギョ(五)感をとおして体験し学ぶことの大切さを伝えてきました。養老先生もまた多様性というのは単なる言葉ではなく10万匹以上の虫を採集したたくさんの体験と学びから得られる実感のことであると述べていました。探究隊員たちもまた、これから始まる長い人生の中でたくさんの自然と触れ合い、たくさんのお魚と出会い、多くの体験と実感をとおして学んでいくことでしょう。

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