「さかなクン探究隊2025」第4回レポート

2025年9月6日(土)、第4回目となる「さかなクン探究隊2025」が開催されました。 
今回は東京都の豊洲市場を舞台に、「Happy ギョ食」をテーマとした低利用魚体験ワークショップを実施。
普段はなかなか目にすることのない魚たちとのふれあいに、隊員たちは目を輝かせていました!

低利用魚ってなに?

「低利用魚」とは、食用としての流通が少ない、または形やサイズの問題で市場に出にくい魚のこと。
近年、持続可能な漁業の観点からも注目されています。隊員の中にはこのテーマに関心を持っているこどもたちも多く、今回のプログラムを心待ちにしていた様子でした。

「夢市楽座」を見学!

まずは、東京魚市場卸協同組合が令和5年度から取り組んでいる「夢市楽座」を見学。
この取り組みは、東日本大震災や能登半島地震の被災地である岩手県、宮城県、福島県、石川県の復興支援の一環として、「日本の海を守る」活動を続けているプロジェクトです。
「夢市楽座」では、低利用魚を実際に見て、触れて、購入することができます。
会場では、「今晩これ食べたい!」とお母さんにお願いする隊員の姿も見られました。

ウツボやシイラにびっくり!

神奈川県小田原の漁港からは、ウツボやシイラ、そして規格外の小さなタイなど、個性的な魚たちが豊洲に到着。普段の食卓ではなかなかお目にかかれない魚に直接触れることができ、隊員たちは大興奮!
「これって食べられるの?」「どうやって料理するの?」と、興味津々の質問が飛び交いました。

トークセッションで深まる“ギョ食”の学び

見学のあとは、魚食の魅力や未来について考えるトークセッションが行われました。
登壇したのは、さかなクン、水産庁の吉川千景さん、そして全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)の馬田英史さんの3名。「低利用魚と魚食普及」をテーマに、専門的なお話をわかりやすく、そして楽しく聞かせていただきました。
日本には約4,500種類もの魚がいると言われていますが、普段食卓にのぼるのはそのうちの20~30種ほど。
実は、まだまだ美味しいのにあまり知られていない魚たちがたくさんいるのです。

低利用魚と呼ばれる魚の多くは、数が少なかったり、傷がついてしまったり、季節や地域によって漁獲される時期が限られていたりと、様々な理由で市場に出回りにくいのが現状です。
でも、そうした魚たちも実はとてもおいしくて魅力的。もっと多くの人に知って、食べてもらいたいという想いから、今回のようなワークショップやトークイベント、販売体験といった取り組みが全国でも少しずつ広がっています。
さらに、「みんなが食べるようになれば、それはもう“低利用魚”ではなくなるんです」というお話もあり、隊員たちは魚の価値や流通について新しい視点で考えるきっかけを得ました。

お魚に感謝の気持ちを

いつでもお魚が食べられるのが当たり前だと思ってしまいがちだけど、
「お魚さん、ありがとう」
「漁師さん、ありがとう」
という気持ちを持っていると、魚を食べられることへの喜びがもっと大きくなるんです。
お魚はみんな平等で、どんな特徴も美味しくて、魅力的で、輝いているとお話しするさかなクンの言葉に、隊員たちも大きくうなずいていました。

みんなでチャレンジ!低利用魚クッキング体験

いよいよ調理体験です。調理のサポートをしてくださったのは、「ABCスタイル」の先生たち。魚のさばき方や調理のコツを、こどもたちにもわかりやすく丁寧に教えてくださいました。

包丁を使ってヒラメを食べやすい大きさにカットし、小麦粉をまぶしてムニエルに。ふっくらと香ばしく焼き上がる様子に、隊員たちもワクワク。ニギスはすり身にして、手で丸めてつみれ汁に。出汁の香りがふんわりと広がります。さらに、アカエイは先生がから揚げにしてくださいました。外はカリッと、中はふわっとした食感が大好評でした。

食べて学んで、海ともっと仲良くなろう

低利用魚にふれて、学んで、調理して、そして美味しくいただく——そんな一連の体験を通して、魚を食べることの楽しさや大切さ、そして日本の海の豊かさに、改めて気づかされた1日になりました。
これからも「さかなクン探究隊2025」は、たくさんの発見と感謝を胸に、楽しく学びながら“ギョ食の未来”を考えていきます!

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